今年もいろいろと作ったなあ、ということで振り返ります。
RPN電卓が好きなので、何かしらの形で記事にしたいなあと以前から思ってました。ただ解説するだけでも良かったんですが、それだけだと物足りない気がして、「こんなのあったらいいな」と漠然と考えていたポケットサイズのRPN電卓を自作してみました。
マニアックな記事なのでそんなにウケないかなあと思いきや、意外にもたくさんの方に見てもらえてありがたかったです。感想を見ていると、このRPN電卓欲しい! という方が多数。なのでいつもの流れで、TOKYO FLIP-FLOPから同人ハードとして発売しました。
設計やデザインを一新し、初めて表面実装にも挑戦しました。2021年末現在、家電のケンちゃんで発売中です。欲しいと言ってた方は必ず買って下さい!
2. ファミコンみたいにバグった写真(2月)
ファミコンを蹴飛ばしたときにあらわれる、独特なバグ画面を写真に適用するプログラムを作りました。蹴飛ばしたら画面に映った写真がバグる装置も。アラフォー以上にしか伝わらないネタですね。
この記事を書くために、ファミコンの仕様をかなり調べました。生半可なことを書いてファミコン警察に捕まるのが怖かったので……。公開後もビクビクしてました(幸い何も言われなかったです)。
38年前のマシンなので原理も単純で、わりとすぐに概要は理解できました。それにしても、これを開発するのは楽しかっただろうなぁと、一開発者として思います。現代の複雑極まりないデジタル家電と違って、一人で全貌が把握できる規模なのがいいです。これくらいの規模の開発だけをやっていたい。
3. Windowsのウインドウみたいな窓(2月)
こちらはDPZとカインズのコラボ企画で制作したものです。公開は8月でしたが、作ったのは2月です。その頃は人生最大級に太っていたので、写真の端々にデブみが感じられますね(その後10kg痩せました)。
最寄りのカインズまで約10kmあったのですが、自転車しか交通手段がなかったので、ヒーヒー言いながら往復2時間くらいかけて材料を買いに行ったのもいい思い出です。
4. ホテルでよく見るキーホルダーを挿すタイプのスイッチ(3月)
別にこのスイッチを作ったわけではなくて市販品ですが、設置工事をしたのと、キーホルダー部分を自作してます。
ビジネスホテルによくある、キーホルダーを挿すタイプのスイッチ。あれを自宅に付けるという夢のようなことをしてみました。
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) 2021年3月9日
やってみた結論:普通に便利かも。https://t.co/8OnMajq2VW pic.twitter.com/lcSNjqf6cb
Twitterでえらくバズったこともあって、記事がDPZの年間ランキングで3位になりました。ありがとうございます。
電気工事士免許は持ってるんですが、もちろん実務経験はないので、ビクビクしながら工事してました。いじれるのはせいぜい、このレベルのスイッチ取り替えくらいですね。
5. どんな風景も自分ちの庭みたいにしてしまうポータブル網戸(4月)
見たまんまです。これが意外とそれっぽく見えるんですよ。ロケ地は、桜が満開の大阪城公園。
記事には書いてなかったですが、ピントをどこに合わせるかが難しかったです。試行錯誤の結果、センササイズの小さいカメラ(といっても1インチですが)で目一杯絞って、被写界深度をできるだけ深くした上で、背景にピントを合わせてます。そうしないと、網戸がボケすぎて何だか分からない写真になります。
6. 腕木通信(5月)
1800年頃にフランスで生まれた「腕木通信」をミニチュア化しました。キビキビ動く様子が気に入っています。さらに、その腕木通信機を対岸のカメラで撮影し、ディープラーニングによる信号の解読にも挑戦しました。
後年のために書いておくと、2021年のGWは「我慢のGW」と呼ばれており、コロナの影響でできるだけ家で過ごすことが推奨されました。なので私はGW休暇を、ほぼこの腕木通信の開発に費やしました。楽しい連休でした。
7. 携帯ゲーム機「風呂」(7月)
遙か昔、2001年にWindowsゲーム「風呂」というのを作りました。風呂に水を入れて湯を沸かす(風呂を完成させる)ゲームで、水を入れるのに20分、湯を沸かすのに20分くらいかかるという、無駄にリアルタイム性を追求したゲーム性が当時一部で話題になりました。
そのアイデアが気に入っていたので、「風呂で何かできないかなぁ」とずっと考えていました。そしてある日、風呂に入っている最中に、蛇口をコントローラにした携帯ゲーム機のアイデアが降りてきたのでした。まさに天啓!
反応を見ていると海外で結構ウケていて、その影響で海外のゲーム好きっぽい人たちにTwitterでフォローされたのですが、自分はあんまりゲームを作る人ではない(というか風呂しか作ってない)ので「何かすみません……」という気持ちです。
電ファミニコゲーマーで記事にしてもらえたのも嬉しかったですね。
8. ぜんまい(9月)
来ました、ぜんまい。今年最大というか、人生最大のヒット作です。
貼り付けるだけで、なんでも「ぜんまい仕掛け」にできる装置を作ったよ pic.twitter.com/ZXtjGgnDIk
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) 2021年8月28日
軽い気持ちで動画を作ってツイートしたんですが、結局その動画は400万回再生を超えるという、なんだか現実感のない数字になりました。
こちらですが、発表して1週間という速度で「ガチャ化」&「玩具化」が決定しました! 詳細は決まり次第おしらせしていきます。 https://t.co/MR21C0fDS7
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) 2021年9月4日
そして爆速での商品化決定。この裏ではいろんな作業を行っており、2021年の後半はぜんまいと共に駆け抜けたと言っても過言ではないです。商品化の方は着実に進んでて、おそらく2022年の春頃には玩具もガチャも発売できるでしょう。楽しみにお待ち下さい!
愛媛県にある人気駅・下灘駅のホームをジオラマ化 → このジオラマを手前に置けば、どんな風景も下灘駅っぽい絶景に変わるのでは? という思い付きです。
実は最後に下灘駅へ行ったのは17年も前でした。ジオラマを作って記事を書いてると「また行きたい!」という思いが強くなったので、つい最近12月末に訪問してきました。
うおー、ジオラマと一緒だー!!
最近では人が来すぎて大変みたいですが(駅前にはキッチンカーも出ていた)、午前中に行ったら比較的空いてました。夕方はたぶんめっちゃ混んでると思います。
10. 無言でAlexaを操作できるリモコン(11月)
最近になってAlexaを本格的に使い出したんですが、やっぱり声を出すのが怠いときがあって、そんなときに自動で声を発してくれるマシンがあったらいいなと思って作りました。
ボタンを押すとリモコンがしゃべってくれるので、自分は無言でAlexaが操作できます。この回りくどさが気に入っています。
原案は、2018年に作ったGoogle Homeを操作できるマシンです。
しゃべるのが面倒なので、ボタンでGoogleHomeを操作できるマシンを開発しました。来週の裏メイカー祭で展示します! #裏メイカー祭 pic.twitter.com/m3v5yoXGTq
— NEKOPLA 斎藤 (@kawausokawauso) 2018年7月28日
このときは「裏メイカー祭」というイベントに展示したんですが、会場がうるさすぎて全く音声認識できなかったという苦い思い出があります。展示には全く向かないプロダクトですね。
11. マウスポインタの移動距離を測るメータ(12月)
最後はこちら。マウスポインタの移動距離を測るメータです。
在宅勤務になって全く動かなくなった → なんならマウスポインタの方が自分より動いているのでは? と思ったので、距離計を作って確かめてみました。
記事にも書いてますが、「デジット」で売っているよく分からないジャンクパーツにいつも助けられてます。この装置で使っているアナログのカウンタは300円台で、電圧計はたしか50円くらいだったと思います。こんな値段で売ってる店は他にないですよ。最高です。
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今年は巣ごもっていたこともあり、例年に増していろいろ作りました。来年もいろいろ作りたいですが、その前に「ぜんまい」の発売という一大イベントがあります。ガンガン売っていきますので(めざせ全世界100万台)よろしくお願いします。
あと3月に個展(ガジェット展)もやります。詳細は決まり次第Twitterでお知らせするので、チェックお願いします!